昨日、2018年5月18日(金)に関西将棋会館で行われた第31回になる竜王戦で藤井聡太棋士が7段に昇格しました。おめでとうございます。
22社50人もの報道陣に囲まれてシャッターの鳴り響く中での対戦でしたが、途中、あぶない局面もあったものの、落ち着いた表情で取り組んいました。そしてついに、72手で藤井聡太棋士の勝利が決まりました。
今回の竜王戦での注目ポイントは、対戦相手がこれまで苦戦をしいられてきた井上一門のお弟子さんである船江恒平棋士であったこと。また、この対局で勝利すれば史上最年少での7段昇格を63年ぶりに達成し、「神武依頼の天才」と称された加藤一二三元棋士の記録を塗り替えるということなどがありましたが、見事勝利したため、7段への昇格が決定。
中学生棋士としてプロになった5人の棋士の中でも最短の1年7カ月での達成となりました。
羽生善治竜王も驚愕
今年2月に行われた第11回朝日杯将棋オープン戦の準決勝で羽生善治竜王と藤井聡太6段の対局が行われましたが、その時勝利した羽生善治竜王も、公式戦では初めての対局を振り返りながら「冷静沈着な差し回しが印象的だった」「どう対応するか悩まされた」と語り、「私の中学時代とレベルが違う」と絶賛されていました。
それから3カ月後となる今日、船江恒平棋士との対局での藤井聡太棋士について。
「2月の6段昇段から3カ月あまりで7段昇段を達成されてそのスピードに驚愕させられています」とコメント。
更に磨きをかけた早い差し回しで中盤には船江恒平6段が40分も考え込むなどの圧倒的な強さを見せた藤井聡太棋士に、今後のさらなる活躍に期待が寄せられますね。
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最年少7段昇格は加藤一二三元9段依頼の61年ぶりに記録更新
今回の藤井聡太棋士の快進撃に「心よりお祝い申し上げます」とコメントを寄せたのは加藤一二三9段です。自身の史上最年少記録を塗り替え、最速で7段昇段した藤井聡太棋士に「15歳にして早くも高段者域に達したことは見事の一語に尽きます」と祝福し、「いまだに誰もみたことのない景色を我々にみせてくれることを楽しみにしております」と若い棋士にエールを送っていました。
また、師匠である杉本昌隆7段は「結果を出し続ける強い棋士に対し、経緯を表します」と弟子である藤井聡太棋士に同じ段位に追いつかれ、師匠としての大きな喜びを語り、「複雑な気持ちなど微塵もありません」とただただ弟子の昇段を心から喜ばれていました。
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まとめ
中学生でプロ棋士として比類なき快進撃を見せてくれる藤井聡太棋士には、沢山の人が勇気をもらい、また、彼の真摯で謙虚な姿勢に心から応援する気持ちになりますね。
彼が7段に昇段した対局を終えたのちに「ここまで早いペースで昇段できると思っていませんでしたが、目の前の1局1局に打ち込んできたことが、こういう形になって現れ嬉しく思います」と心境を語りましたが、「序盤は苦しい展開になりました」と振り返りながらも「すぐには実感がわきませんが、感慨深いです」と師匠と段位が並んだことに対する心境も語っていました。
人柄が言葉の端々に現れるような、素敵なコメントですね。これからの更なるご活躍を期待しています。
